看護師のはじまり
そもそも看護師という仕事が1つの高度な専門職業として位置付けられたのは、19世紀の半ばに登場したフローレンス・ナイチンゲールによってでした。
それ以前は看護の仕事というと、17世紀以降から始まったキリスト教の修道女や修道士によって、病人を集めて日常生活の世話をするものということにしか過ぎませんでした。
キリスト教の修道士らによって行われる看護は、現在の看護とは程遠く、彼らが神に仕えるための1つの活動にしかすぎなかったということもあって、一般的にも職業として認めるというほどものではなかったのです。
また中世にも病院はあったものの、そこで働いている医師以外の人たちというと身分の低い方ばかりで、汚れの始末や掃除など、決して待遇のよいものではありませんでした。
そういった宗教上の一環としての看護が、看護師という1つの職業として確立されたのは、フローレス・ナイチンゲールの存在なくして語れません。
ナイチンゲールは、1854年から始まったクリミア戦争に自ら看護師団を結成して赴き、敵味方の区別なく、負傷した兵士の看護に当たりました。
当時の負傷兵のいる施設というのは非常に衛生状態も悪く、傷を手当てしたり体を治療して休めたりするということが安心して行える環境にはありませんでした。
当時はまだ看護の仕事というと身分の低いものが行なうということで軽視されている偏見が強い時代でしたから、彼女の仕事には数多くの障害がありました。
しかしそれらをクリアし、負傷兵の死亡率を大幅に下げたことや負傷兵からの賛美の声なども立って、大いに高い評価を受けることとなりました。
こうしてナイチンゲールによって看護師という仕事の必要性と専門性が広く認識されるようになると、多くの基金が集まり、1860年には看護学校が設立されるに至りました。
これは、看護師という仕事が宗教上の活動ではなく、専門の職業として確立されたということを意味しており、看護師界における革命となったのです。
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